昔からよくあるゲームに5W1Hゲームというものがあります。
別名「いつ どこで だれが どうしたゲーム」とも呼ばれるこれは、(一部の地域で)パーティやお遊戯会などで親しまれている簡単な物語生成ゲームです。
ルールは単純で、教室のメンバーをいくつかのグループに分け、それぞれ「いつ(When)」「どこで(Where)」「だれが(Who)」「何を(What)」「なぜ(Why)」「どうしたか(How)」を紙にかき、代表(先生)が紙を回収後シャッフルしてWhenWhereWhoWhatWhyHowの順番で読み上げていく、ただそれだけのゲームです。
こんな単純なルールで面白いのかと思われるかもしれませんが、ハマります。
キーワードとして出てくるのは教室のメンバーの名前や近所の地名、好きなテレビ番組、芸能人etc。馴染みのあるキーワードが予想できないシチュエーションで予想できない行動をとっているという文章を聞くだけで、人は十分楽しめるものです。
TRPGで5W1Hを使って1セッション行う
で、ここからが本題。
TRPGのシナリオは本来GMが予め用意しておき、それにそってゲームを進めるものですが5W1Hを利用してシナリオをその場で「生成」して遊んでみませんか?
これは私がオリジナルで考えたのものではなく、はるか昔に存在していたRPGマガジンという雑誌(最終的にRPGのかけらも残らずマジック・ザ・ギャザリングの雑誌に変わり果てました)で紹介されていた遊び方です。
下準備
まず、レポート用紙でも何でもいいので、適当な横幅を持った紙を細く横に切ります。その紙を、プレイヤー全員に任意の枚数(だいたい3~5枚程度)配ります。
次に、一枚目の紙の左端に「誰が(Who)」を全員に書いてもらい、書いた部分を折りたたんで他の人に見えないようにします。
その紙を時計回りで交換し、次に「何を(What)」を書き込んだらまた折りたたみ、時計回りに回していきます。
そうして5W1Hを書きこんでは回していき、最後の「どうした(How)」までたどり着いたら紙を小さく丸め、適当な袋の中に入れておきます。
これを紙がなくなるまで、時計回りの次は反時計回りに、次は逆にと繰り返していきます。
すべての紙が丸まって袋の中に収められたらゲームスタートです!
ゲームの基本的な流れ
流れと言っても大したルールではなく、最初にプレイヤーでじゃんけんをし、最初に勝った人から時計回りにスタートします。
- 順番がの人が袋から紙を引く
- とった紙を開き、大きな声で5W1Hのシチュエーションを伝える
- 引いたプレイヤーは、その内容から今どんな状態でこれからどうなりそうかをGMに伝える
- GMはその内容をもとに、シナリオを展開していく
- 場面が転換したり、シナリオが詰まったら次の順番の人が紙を引く
- 以下紙がなくなるか、GMがシナリオの終了を告げるまでループ
もうお分かりだと思いますがこのゲーム完全にアドリブゲームです。プレイヤーの想像力とGMの調整・瞬発・集中力が問われます。
ゲームが破綻しないように、最低限の補助ルールとして、
- 紙を引いたプレイヤーが解釈できないキーワードの羅列はプレイヤー全員で展開を考える
- それでも解釈できなかった場合、その紙を飛ばすか、キーワードを過大解釈(食べた→食事をするための準備を行ったetc)することで強引に話をつなげる
- ギブアップあり(エンディングまでたどり着かないのも、ひとつの破綻した物語として楽しむ)
とします。
利点
この遊び方の利点はこんな感じでしょうか。
- GMがシナリオを用意してない場合でも遊べる
- 通常のセッション前にこれで一度遊ぶことで、全員のスイッチ(発想力・トーク・表情)がオンになる
しかし、強制的に全員参加でシナリオを展開する5W1Hを遊ぶことで自然とトークすること、想像力を膨らませて物語を捉えることに抵抗感がなくなり自然とTRPGを楽しめる
と、いうわけでコンベンションや普段のセッションの前に、1時間ほどこのルールで遊んでみてはいかがでしょうか?
きっとハチャメチャで無茶苦茶で出鱈目な冒険に出会うことができる、ハズ。
それにしても、電子書籍でバックナンバー全部売ってくれないかなぁホビージャパン。
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